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40代サラリーマンの読書の足跡。ホッとしましょう♪

心と身体、まずは身体を動かす【番号047】

仏道を学習するに、しばらくふたつあり。いわゆる心をもて学し、身をもて学するなり。(身心学道)(p-45)」

 

公方俊良:『正法眼蔵』で生きる智慧;サンガ【番号047】

 

道を究めるには、「心」と「体」を修めると書かれています。

 

「心」を修めるにあたっては、非常に時間がかかる過程を経て到達する(しない場合もあると思います)境地であるのは間違いないと思います。「体」を修めるのも、同じように時間をかけていくものだと思います。以前までは、どちらが先というわけではなく、ともに修めることが重要だと感じていました。例えば、教えを聞いて自分の動きを確認するのか、自分の動きを確認して教えを乞うのか、どちらもとても重要な気がします。ところが、道元禅師は心よりも身体を修めることを重視(p-45)しているとのことです。

 

仏道を志す“心”が生じてから仏道を修めようと思ったら、永遠に仏道を修める機会はやってこない。心から仏道を求める気持ちを生じなくても、まず、先に仏道を修められた方々の姿をまねて、座禅し、読経(ずきょう)するというように、心よりも先に身体で仏道を学んでいけば、しだいに心も仏道に従ってくる(p-46)」

 

ここから、先んじて行動をすることが大切と痛感しました。そもそも人間は動物です。また人間は集団で生活しているので、日常生活活動や社会参加をすることで世の中に関与しています。どんな活動でも行動を伴います。特に仕事での身体の使い方は非常に重要です。私の仕事の場合、内容は接客、運動指導、道具の管理、リスク管理、身体状況確認を同時複数人に対して行います。仕事に必要な知識は、体に関する知識、道具に関する知識、コミュニケーションに関する知識、運動指導に関するいくつもの知識などありますが、これらを完全に熟知している状態ではありません。常に分からない事や、忘れてしまったことをすぐに調べて、現状を把握する必要があります。身体で学ぶことを先に行うというのは本当に重要だと感じます。知識をいくら学んでも、使い方や使うタイミング、概念の正しさなどが一致するまでには時間がかかります。それには行動や経験が必要です。

 

「だから、態度を見れば相手の心が分かるし、行動を見れば相手の心が見通せる。(p-47)」

 

仕事の内容もそうですが動きが綺麗な人は、質問をしても適切な心持ちが返ってきます。

 

参考)公方俊良:『正法眼蔵』で生きる智慧;サンガ【番号047】