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40代サラリーマンの読書の足跡。ホッとしましょう♪

「私」「環境」「宇宙」【番号040】

「『環境』とは、私以外のすべて/『宇宙』とは、私を含むすべて/『環境』と『宇宙』の間のたった一つの違いは、私」(p-23)

 

立花隆:東大講義人間の現在①脳を鍛える;新潮社【番号040】

 

とても深い言葉です。

 

私が存在しない普遍的な『宇宙』があったとして、それを認識しようとするのは私ですが、私が『宇宙』を認識しようとしても、その真の『宇宙』の姿と私の中の『宇宙』のとらえ方に違いが出てしまうと立花氏は述べています。確かに、自分自身の能力を考えればよく分かります。私自身の『宇宙』の感覚はありますが、宇宙の成り立ちに関して詳細は理解していませんし、物理的な解釈もよくわかりません。そのあやふやな知識の中で、何となく『宇宙』の姿を考えているにすぎません。つまり私の中の『宇宙』のとらえ方に違いが出ている状態です。

 

「外部世界を構成するエレメントの一つ一つについて<私>との関係性を問い直さなければならないのです。」(p-24)

 

この本は、私が大学1年生の頃に読みました。何度も読み返して、勉強をする意味を問い直したり自分の思考の地図にしていたりしていたことを思い出します。私自身、物事を施行する際に、感情によって左右されたり経験によって判断を迫られたりしますが、その思考過程では、私と『環境』等の関係性について、深く知ることがヒントになったり、間違いを正すきっかけになったり、自分の足りなさに気づく材料になったりします。

 

「「絶対の真理なんてものはない」ということを知っておくことです。といっても、「絶対の真理はあるかもしれない。ないといいきってしまうのは、それ自体ドグマではないか」という考え方もなり立ちます。」(p-28)

 

物事を考える上で、今世界をみている自分自身のとらえ方を考え直す、という段階が必要になると思います。その際に、絶対的な「真理」として考えを固めてしまうと、思考が停止してしまいます。立花氏は、①常に客観的な自然界としての見方、②自分の中での自分と自然との関係としてとらえる方法、③自己分析をひたすら進める方法、この3つを世界をとらえる3つのフェーズとして示しています。これら3つのフェーズを基本に、物事を考えられるように、精進していきます。

 

参考)立花隆:東大講義人間の現在①脳を鍛える;新潮社【番号040】