「シリコンバレーで会社役員をしていたサム・エリオットは、最近ある悩みを抱えていた。自分たちの会社が大企業の傘下になってからというもの、仕事にやりがいを感じられなくなったのだ。」
マレッグ・マキューン:エッセンシャル思考;かんき出版【番号010】
2014年の出版ですが推薦の言葉のメンバーが豪華です。ダニエル・ピンク、クリス・ギレボー、アダム・グラントと続いています。アメリカのビジネスパーソンは志が高く、バリバリ働いているイメージが大前氏【番号009】の文章からうかがえましたが、ここでは仕事にやりがいがない、といった私のような症状があるのがとても興味深く感じました。
「私はこの仕事を通じて、世界中のビジネスマンを見てきた。忙しさに疲れはて、プレッシャーに押しつぶされそうになっている人。大きな成功を手に入れながら、全てを完璧にこなそうとして苦痛にあえいでいる人。」
どうやらどんなにすごい人でも、全て完璧にこなすのは不可能だということのようです。私は、優秀なビジネスパーソンは仕事を楽しくやっているのかと思っていたのですが、実はプレッシャーを抱え、苦痛を感じているようなので安心感を覚えました。
「世の中には、ありとあらゆる仕事やチャンスが転がっている。その多くは悪くないものだし、かなり魅力的な話も少なくない。だが、本当に重要なことはめったにない。」
「どんなに無茶なスケジュールでも「やります」と答え、とうていやりきれない量の仕事を抱え込む。朝から晩まであちこちの会議に引っ張り出され、言われたままに山のような仕事をこなす日々。」小暮氏【番号006】も同様に仕事の無駄な増加を述べています。
何でも仕事を引き受けてしまうことが素晴らしいとは言えないことが分かりました。
「あらゆることを学び、何でも自分でやろうとしていた。(途中略)「全てが」大事だと思い込んでいたのだ。」
白取氏【番号007】のいうように「仕事をたいせつに思い、報酬以上のものを得ていると自覚して丁寧な仕事を続けていく人が自分の仕事を持った人なのだ。」と信じた場合、朝から晩まで引っ張り出されてしまう可能性があることは確かだと思いました。
参考)マレッグ・マキューン:エッセンシャル思考;かんき出版【番号010】